地図を見るとき、まず何をするでしょうか?
ここで身につけてもらいたい癖があります!
それは地図と自分の見ている方角を揃えることです。
もっと簡単にいうと北がどっちかを確認することです。
現在地の場所を説明するときに、山の中では参考になるものがとても少ないです。
例えば、道が開けて山頂が見えたときに「右斜め前に山頂が見えた」と考えるのか、「北北東に山頂が見えた」と考えるかは
地図を見るときに大きく違います。
仮に地図に山頂を通る北北東の角度の線を引いてしまえば、現在地はその線上のどこかまで絞り込むことが出来ます。
例えば、山の中腹を時計回りにぐるっと一周回るコースを歩くとします。
道としては、右斜め前か前に進むだけですが、
北からスタートしたと分かっていれば、進行方向の角度を見るだけでどの程度進んだかが判断できます。
このように方角が分かる事で知ることができる情報が多くあります。
また、真っ直ぐ前に進んでいるつもりでも長い距離を歩くと方角が変わっていることはよくあるので、
感覚だけで歩かず確認をしっかり行いましょう。
ご存知の方もおられると思いますが、とても大事な内容を一つ。
コンパスは北の方を指すだけで、「北」は指していません。
地図を広げたときに、上方向が北の方角(真北)になりますが、コンパスの向く方向は時代によって少しづつ変わっています。
そのため、地図には必ず磁石の北(磁北)とのずれ(偏角)がどの程度かが書かれています。
最近の地図では西に7度程ずれているようです。
東西南北を知るだけであれば真北と磁北のずれは誤差範囲ですので無視できますが、
360°で測るのであれば7°の違いは無視できない大きさになります。
このため、あらかじめ西7°(反時計回りに7°)の線(磁北線)を地図に書き込んでおいて、ずれを無くす方法があります。
書き込む時は既存の地図で使われていない色で書き込むと便利です!(赤や緑など)
磁北に合わせて地図の向きを直すと、地図から想像できる地形と、今見えている地形の見比べがとてもやりやすくなります。
想像で地形を考える作業自体が大変なので、向きを揃えるだけでも想像がしやすくなります。
この地図の北と実際の北を揃える作業を「整地」といい、整地を行うと地図読みが分かりやすくなります。
地図を広げた時には、この整地作業をしてから地図を見る癖を付けておくようにしましょう!