安全の3原則というものを聞いたことがあるでしょうか?
特に難しい内容ではなく、当たり前の事です。しかし、なかなか出来ていないのが実状ではないでしょうか。
・安全は全てにおいて優先される。
・自分の身は自分で守る。
・決められているルールを守る。
指導者として注目すべきは、一つ目の「全てにおいて」の部分だと思います。
どんなに良い活動だとしても、事故が起こってしまえば最悪の活動でしかありません。
何一つ安全対策をしていない状態でも事故は起きないかもしれません。
しかし、それは「運」が良かっただけで、そんな「運」頼みの活動しか出来ない指導者は今すぐ子どもの前から身を引くべきです。
今回注目したいのは二つ目の自分の身は自分で守るというポイントです。
周りの大人がどれだけ怪我をしないように工夫したとしても、本人が走って転べば擦り傷の出来上がりです。
転んで擦り傷で済めばよいですが、手をつくのが遅れて、手首をぐねれば捻挫になるし、手を出す意識がない子どもだと頭をぶつけるかも知れません。
つまり、転んだ時に擦り傷で済むかどうかは本人がこれまでに体験してきた経験に依存する部分が大きいのです。
たき火をしていて、いきなり手で火を触ろうとした子どもがいました。なんとその子は初めてたき火を見たのでたき火が「熱い」事を知らなかったのです。
自分は当たり前に知っている事だとしても、危険が迫ってくるのはあなたではなく子どもです。近くにいるとしても、いつもあなたが守れるとは限らないのです。
これらのことから、あなたがすべきことは、大きな危険が子どもに近づかないようにするだけでなく、子ども自身が危険に立ち向かえるように教える事も必要になります。
どうすれば事前に危険への対策が出来るでしょう?
これは大人でも同じです。想像の中で体験するのが一番の予防だと思います。
しかしながら想像も簡単に出来るものではありません。そこでゲーム方式で簡単に訓練出来る方法があるのです。
その方法は「危険予知トレーニング(KYT)」というもので、建築現場などの事故の多い仕事場でも行われています。
どんなものかというと、次のような絵を見て感じたことを離してもらいます。
この後、何かしらの事故が起きるとします。どんな事故が起きるか想像出来るでしょうか?この「想像」が出来なければ危険を危険と認識出来ないことになり、事故に合う可能性がとても高まります。
またありがちなのが、一つ危険を見つけると意識がそちらに向いてしまい他の危険が見えていないこともあります。
そこで必要になるのが「沢山の目」です。色々な人がそれぞれの視点から見ることで多くの危険が発見できます。そしてこれらの危険を「共有」することで似た場面でも危険を見つけられるようになります。
「あっ。言われてみればそういう危険があるな」と思ってほしいわけです。
この気づきが危険から子供を守ってくれるのです。
しかしながら危険予知トレーニングをしたから子どもは対策が十分に出来たというわけではありません。
活動を通じて様々な体験を繰り返してもらう事が予防にもつながっていきます。
事故が起こる時に一番近くにいるのはあなたの可能性が高いのです。あなた自身も勉強し、しっかり子どもを守ってあげて下さい。